Nature ハイライト 物理:万能ミラー 2006年11月2日 Nature 444, 7115 メカニカル共振器の冷却は、重力波検出などの超高精度測定へ応用が可能なため、盛んに研究が行われている。また、この技術を使うと、力学系における古典的なふるまいと量子的なふるまいの間の遷移が観測できるため、こうした冷却は基礎研究においても関心がもたれている。今週号では3つの研究グループが、この分野での進歩を報告している。GiganたちとArcizetたちは、放射圧を用いて、微細なマイクロメカニカル共振器、すなわちマイクロミラーの熱振動を凍結した。このミラーは適切な条件下では、外部から影響を受けることなく、室温から約10ケルビンまで冷却できた。この技術を改良すれば、マイクロミラーをもっと低い温度まで冷却し、その量子基底状態を実験で観測することが可能になると思われる。3番目の論文では、D KlecknerとD Bouwmeesterが、光フィードバックによって、マイクロミラーを1ケルビン以下の温度まで冷却したことを報告している。 2006年11月2日号の Nature ハイライト 生態:労働者の立場は弱い? 進化:脊索動物は1つの門である 気候:スノーボールアースに勝ち目あり 脳:頭の中のコネのつけ方 細胞:どのがんでもやっぱりp53は邪魔者 物理:万能ミラー 材料:多結晶構造の解明法 気候:地球磁場の逆転 細胞:ゲート開閉は電位で? 目次へ戻る