今週号のKlimanskayaたちの論文は、8月23日付けのオンライン版に最初に発表されたもので、着床前遺伝子診断の際に採取された1個の細胞からヒトの幹細胞を作り出すという、ヒト胚性幹細胞作製における大きな進歩を報告している。しかし、J L SimpsonがNews and Viewsで述べているように、オンライン版の論文には議論の余地があった。そのため、今回の印刷版には追加説明が付されている。この研究が重要なのは、ヒトの胚性幹細胞を作製する際にはその元となった胚を破壊しなくてはならないという反論を回避する手段となる可能性があるからだ。