Nature ハイライト

知覚:言葉を味わう

Nature 444, 7118

共感覚(synaesthesia)とは、異なる感覚が交錯する状態である。例えば、共感覚をもつ人の中には音を「聴く」と色が「見える」人がいる。言葉によって味を感じる共感覚の人を調べたところ、ある言葉を言おうとすると、口に出す前にそれを「味わう」ことができた。言葉そのものを聞いたり見たりするのではなく、その言葉の意味を考えることによって、味覚が発動されたのである。もしかすると、誰においても概念的な思考はこのようなやり方で知覚体験と結びつけられており、共感覚の人ではこの結びつきが強すぎるということなのかもしれない。

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