Nature ハイライト 知覚:言葉を味わう 2006年11月23日 Nature 444, 7118 共感覚(synaesthesia)とは、異なる感覚が交錯する状態である。例えば、共感覚をもつ人の中には音を「聴く」と色が「見える」人がいる。言葉によって味を感じる共感覚の人を調べたところ、ある言葉を言おうとすると、口に出す前にそれを「味わう」ことができた。言葉そのものを聞いたり見たりするのではなく、その言葉の意味を考えることによって、味覚が発動されたのである。もしかすると、誰においても概念的な思考はこのようなやり方で知覚体験と結びつけられており、共感覚の人ではこの結びつきが強すぎるということなのかもしれない。 2006年11月23日号の Nature ハイライト 細胞:単一細胞からヒト胚性幹細胞を作製 知覚:言葉を味わう 心理:「幸せ」を測る 遺伝:違いに万歳 細胞:新生ポリペプチド鎖の手綱を引く 材料:磁性の渦に一工夫 材料:超伝導シリコン 地球:すべりにとらえられたもの 植物:自分で始末をつける 遺伝:遺伝子調節因子を見つけ出す 目次へ戻る