Nature ハイライト

遺伝:違いに万歳

Nature 444, 7118

ヒトゲノム解読の次に目指すべきものは何だろうか。我々が知りたいのは、ヒトゲノムにどれくらいの個人差があるのかである。昨年、国際HapMapプロジェクトが一塩基多型のマップを発表したが、今回は国際コンソーシアムが、コピー数の変異(CNV)とよばれるさらに広範な領域にわたる差異のマップを作成した。このコピー数可変領域のそれぞれには、個人間で少なくとも1000塩基対の差異が認められ、ゲノム中の良性変異および疾患を引き起こす変異の両方と関連づけられる。この新たなマップは、270人のDNAの解析結果に基づいており、1400を超えるCNVが見いだされ、これらはゲノムの12パーセントに及んでいた。この結果は、CNVがこれまで考えられたよりもはるかに広く存在することを意味しており、直接解析されないかぎり、遺伝病の変異遺伝子を特定するために現在用いられている手法では、このような差異が見落とされる可能性を示している。

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