Nature ハイライト

植物:自分で始末をつける

Nature 444, 7118

自家不和合性とは、高等植物が自家受精を避けて新たな遺伝子型を確実に出現させるために用いている重要な戦術である。ヒナゲシ(Papaver rhoeas)では、自家不和合性の反応によってCa2+依存性のシグナル伝達ネットワークが始動し、「自己」の花粉管の成長を速やかに停止させる。花粉のp26タンパク質は、自家不和合性シグナルが最初に標的とするものの1つである。今回、de Graafたちは、p26が2種類の可溶性無機ピロホスファターゼ(sPPアーゼ)からなることを明らかにした。PPアーゼは、原核生物から真核生物に至るまで高度に保存されており、無機ピロリン酸を加水分解してさまざまな代謝反応の推進力を供給している。この研究成果は、PPアーゼが花粉管の成長に関する重要な調節因子であることを示すとともに、この重要な酵素種の阻害に関して従来知られていなかった調節機構を明らかにしている。

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