Nature ハイライト 植物:自分で始末をつける 2006年11月23日 Nature 444, 7118 自家不和合性とは、高等植物が自家受精を避けて新たな遺伝子型を確実に出現させるために用いている重要な戦術である。ヒナゲシ(Papaver rhoeas)では、自家不和合性の反応によってCa2+依存性のシグナル伝達ネットワークが始動し、「自己」の花粉管の成長を速やかに停止させる。花粉のp26タンパク質は、自家不和合性シグナルが最初に標的とするものの1つである。今回、de Graafたちは、p26が2種類の可溶性無機ピロホスファターゼ(sPPアーゼ)からなることを明らかにした。PPアーゼは、原核生物から真核生物に至るまで高度に保存されており、無機ピロリン酸を加水分解してさまざまな代謝反応の推進力を供給している。この研究成果は、PPアーゼが花粉管の成長に関する重要な調節因子であることを示すとともに、この重要な酵素種の阻害に関して従来知られていなかった調節機構を明らかにしている。 2006年11月23日号の Nature ハイライト 細胞:単一細胞からヒト胚性幹細胞を作製 知覚:言葉を味わう 心理:「幸せ」を測る 遺伝:違いに万歳 細胞:新生ポリペプチド鎖の手綱を引く 材料:磁性の渦に一工夫 材料:超伝導シリコン 地球:すべりにとらえられたもの 植物:自分で始末をつける 遺伝:遺伝子調節因子を見つけ出す 目次へ戻る