Nature ハイライト 材料:超伝導シリコン 2006年11月23日 Nature 444, 7118 超伝導は、ダイヤモンドなどの意外な材料でも見つかっている。しかし残念なことに、シリコンでは超伝導は観察されていない。典型的な半導体であるシリコンの導電性は、微量の他元素を「ドープ(添加)」することによって何桁も変化させることができる。例えば、ホウ素原子をドープすることによって、シリコンは半導体から金属へ変化する。したがって問題は、さらに多くのホウ素をシリコン中につめ込んで電流が抵抗なしに流れるようにすることである。今回これが、GILD(gas immersion laser doping)とよばれる技術を使って達成された。このプロセスでは、シリコンの溶融と固化が繰り返され、ホウ素原子はそのたびにシリコン内に拡散する。このような方法で数パーセントの濃度にまでホウ素をドープすると、シリコンは0.35ケルビン以下の低温で超伝導を示すようになる。 2006年11月23日号の Nature ハイライト 細胞:単一細胞からヒト胚性幹細胞を作製 知覚:言葉を味わう 心理:「幸せ」を測る 遺伝:違いに万歳 細胞:新生ポリペプチド鎖の手綱を引く 材料:磁性の渦に一工夫 材料:超伝導シリコン 地球:すべりにとらえられたもの 植物:自分で始末をつける 遺伝:遺伝子調節因子を見つけ出す 目次へ戻る