Nature ハイライト

材料:超伝導シリコン

Nature 444, 7118

超伝導は、ダイヤモンドなどの意外な材料でも見つかっている。しかし残念なことに、シリコンでは超伝導は観察されていない。典型的な半導体であるシリコンの導電性は、微量の他元素を「ドープ(添加)」することによって何桁も変化させることができる。例えば、ホウ素原子をドープすることによって、シリコンは半導体から金属へ変化する。したがって問題は、さらに多くのホウ素をシリコン中につめ込んで電流が抵抗なしに流れるようにすることである。今回これが、GILD(gas immersion laser doping)とよばれる技術を使って達成された。このプロセスでは、シリコンの溶融と固化が繰り返され、ホウ素原子はそのたびにシリコン内に拡散する。このような方法で数パーセントの濃度にまでホウ素をドープすると、シリコンは0.35ケルビン以下の低温で超伝導を示すようになる。

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