Nature ハイライト 宇宙:月の内部から噴出したガス 2006年11月9日 Nature 444, 7116 月からもち帰った標本によって、月の広範囲にわたる火山活動が約32億年前に終息したことがはっきりし、最後に粘度の低い玄武岩が、10億年前より後まで噴出し続けたものの、現在の月は内部プロセスよる影響を受けてはいないと一般に考えられている。それでも、アポロ計画とルナー・プロスペクター計画の双方で、月の内部からラドンガスが放出された証拠が見つかっている。つい数百万年前に「更新された」ようにみえる月の地形を新たに解析した結果からは、そのような更新が起こったのは、月の内部深くまで到達しているひび割れに沿ってガスが突然漏れ出しために、表面の「塵が吹き払われた」せいであることが示唆される。そういった領域には、内部深くを知る手がかりが残されている可能性があるので、今後の探査計画の候補場所として適当ではないかと思われる。 2006年11月9日号の Nature ハイライト 疫学:ゴリラもHIVの供給源? 地球:ヒマラヤ地震が起こる訳 宇宙:月の内部から噴出したガス 遺伝:勝ち残る遺伝子、消え去る遺伝子 細胞:膜内でのタンパク質分解 工学:潤滑剤の新しい波 気候:気候のシーソー 進化:四肢動物:陸上生活への長い助走 構造生物学:補体の立体構造を明らかにする 目次へ戻る