Nature ハイライト 疫学:ゴリラもHIVの供給源? 2006年11月9日 Nature 444, 7116 エイズ流行の主な原因ウイルスであるHIV-1グループMの起源をたどっていくと、西中央アフリカのチンパンジーからヒトへと起こったサル免疫不全ウイルスのたった1回の異種間感染に行き着く。同じくチンパンジーからの異種間感染によって、カメルーンでは数名のHIV-1グループN感染者が出た。この放散過程で3番目に現れたウイルスであるHIV-1グループOは、1994年にカメルーンで見つかったが、保有宿主となる霊長類は不明だった。今回、そのウイルスの供給元と思われる霊長類が見つかった。HIV-1グループOによく似たウイルスが、野生のゴリラに存在することがわかったのである。チンパンジーと同様にゴリラも食用に捕獲されており、ヒトのHIV-1グループO感染につながるルートになった可能性が高い。 2006年11月9日号の Nature ハイライト 疫学:ゴリラもHIVの供給源? 地球:ヒマラヤ地震が起こる訳 宇宙:月の内部から噴出したガス 遺伝:勝ち残る遺伝子、消え去る遺伝子 細胞:膜内でのタンパク質分解 工学:潤滑剤の新しい波 気候:気候のシーソー 進化:四肢動物:陸上生活への長い助走 構造生物学:補体の立体構造を明らかにする 目次へ戻る