Nature ハイライト

疫学:ゴリラもHIVの供給源?

Nature 444, 7116

エイズ流行の主な原因ウイルスであるHIV-1グループMの起源をたどっていくと、西中央アフリカのチンパンジーからヒトへと起こったサル免疫不全ウイルスのたった1回の異種間感染に行き着く。同じくチンパンジーからの異種間感染によって、カメルーンでは数名のHIV-1グループN感染者が出た。この放散過程で3番目に現れたウイルスであるHIV-1グループOは、1994年にカメルーンで見つかったが、保有宿主となる霊長類は不明だった。今回、そのウイルスの供給元と思われる霊長類が見つかった。HIV-1グループOによく似たウイルスが、野生のゴリラに存在することがわかったのである。チンパンジーと同様にゴリラも食用に捕獲されており、ヒトのHIV-1グループO感染につながるルートになった可能性が高い。

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