Nature ハイライト 発生:口蓋裂の修復 2007年3月1日 Nature 446, 7131 マウス胎仔で今回、発生に重要なタンパク質(GSK-3β)を可逆的に時間制御する新たな化学遺伝学的手法が開発されたが、これは重要な意味をもっていそうだ。注目すべきことに、この制御は母親の子宮内で行うことが可能である。GSK-3β(グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3β)はさまざまな生物学的過程に関与し、遺伝子操作でこれを欠損させたマウスでは口蓋裂がみられるが、この先天性欠損は子宮内での救済処置によって回復するのである。この研究を臨床に応用できるようになるには、いくつかの重要な進展がなされなければならないが、小型分子を用いた治療で先天性欠損を防げることを実証した今回の結果は、この手法が原理的に可能であることを示す重要な証拠となる。 2007年3月1日号の Nature ハイライト 物理:時空を解体する 材料:平らなようで平らでないグラフェン 物理:グラフェンの超伝導電流 生理:やさしさタンパク質? 物理:じっとしている電子 発生:変速ギアで泳ぐ 生化学:ウイルスが作る丈夫な立方体 医学:イオンチャネル病のもう1つの原因? 発生:口蓋裂の修復 目次へ戻る