Nature ハイライト 材料:平らなようで平らでないグラフェン 2007年3月1日 Nature 446, 7131 グラフェンは、最近発見された原子1個分の厚さしかない単層グラファイトで、材料科学や物性物理学の分野で注目を集めている研究トピックの1つであり、研究用のモデル系としてよく用いられている。微小な支持体を使って個々のグラフェンシートを宙づりの状態に保持させた実験で、透過型電子顕微鏡と電子回折パターンを使い、グラフェンの構造を決定することができた。これにより、いったいなぜグラフェンが存在するのかという問いの答えが得られそうだ。2次元グラフェンシートは、実際は平坦ではなく波打っているらしい。その凹凸は、2層系ではそれほど目立たず、多層サンプルでは完全に消失する。この「波打ち」の性質をもっとよく知ることができれば、これらの極薄炭素膜がなぜそれほど安定なのかが解明されるかもしれない。 2007年3月1日号の Nature ハイライト 物理:時空を解体する 材料:平らなようで平らでないグラフェン 物理:グラフェンの超伝導電流 生理:やさしさタンパク質? 物理:じっとしている電子 発生:変速ギアで泳ぐ 生化学:ウイルスが作る丈夫な立方体 医学:イオンチャネル病のもう1つの原因? 発生:口蓋裂の修復 目次へ戻る