Nature ハイライト 生化学:ウイルスが作る丈夫な立方体 2007年3月1日 Nature 446, 7131 感染性をもつ多角体を産生する昆虫ウイルスは広くみられ、重要である。この多角体は多数のウイルス粒子が封入された微結晶で、安定性が著しく高いために感染性が持続して、例えばカイコの収繭量が減少したりする。今回、このような多角体微結晶の1つの分子構造が明らかにされた。このウイルスは、今まで原子構造の決定に用いられたタンパク質結晶のうちでも最小であることから、今回の構造決定はタンパク質の微小結晶X線構造決定分野における大きな技術的成果である。この研究によって、頑丈な多角体の構造が明らかになり、これを生物農薬の輸送用カプセルや、マイクロアレイなどのバイオナノテクノロジーに応用できる可能性がある。 2007年3月1日号の Nature ハイライト 物理:時空を解体する 材料:平らなようで平らでないグラフェン 物理:グラフェンの超伝導電流 生理:やさしさタンパク質? 物理:じっとしている電子 発生:変速ギアで泳ぐ 生化学:ウイルスが作る丈夫な立方体 医学:イオンチャネル病のもう1つの原因? 発生:口蓋裂の修復 目次へ戻る