Nature ハイライト 医学:イオンチャネル病のもう1つの原因? 2007年3月1日 Nature 446, 7131 ナトリウム輸送チャネルの遺伝的欠陥が原因で起こる優性遺伝型の「イオンチャネル病」には、周期性四肢麻痺や心不整脈、てんかん、慢性疼痛などがある。しかし、ほかのイオンチャネル病の中には、原因となる分子機構が不明なものもある。今回、その中の1つである低カリウム血性周期性四肢麻痺の原因と思われるものが見つかった。アフリカツメガエルの卵を使って行われた研究によると、この病気の発症や遺伝には、電位感知機能を担い、ゲート開閉にかかわる電荷をもつアルギニン残基の変異によって生じるゲート孔電流がかかわっているらしい。ほかのイオンチャネル病でみられる既知の変異について調べてみると、やはりゲート孔電流を変化させると思われる欠陥が見つかったので、この機構はおそらく病気の発症に大きくかかわっているのだろう。 2007年3月1日号の Nature ハイライト 物理:時空を解体する 材料:平らなようで平らでないグラフェン 物理:グラフェンの超伝導電流 生理:やさしさタンパク質? 物理:じっとしている電子 発生:変速ギアで泳ぐ 生化学:ウイルスが作る丈夫な立方体 医学:イオンチャネル病のもう1つの原因? 発生:口蓋裂の修復 目次へ戻る