Nature ハイライト 気候:気候感度を較正する 2007年3月29日 Nature 446, 7135 大気中の二酸化炭素濃度の変化に対する全球の平均地表温度の応答を解明することは、過去の気候変化の解釈と将来の変傾向の予測に重要である。大気中の二酸化炭素が倍増した場合に引き起こされる気温の上昇幅、いわゆる「気候感度」の見積もりのほとんどは、過去の数十年から千年という期間の記録に基づいており、したがって異なる気候条件のもとで適用するには限界があるかもしれない。Royerたちは二酸化炭素濃度をモデル化し、シミュレーション結果を代理指標記録と比較するというまったく新しい手法を用いて、長い時間スケールにわたる気候感度を推算した。彼らの結果は、気候感度はほぼ確実に1.5℃を超えていたことを示している。この値は短期間の記録に基づく見積もりと一致しており、これが地球の気候システムの過去4億2千万年にわたる確固たる特徴であるらしいことを示唆している。 2007年3月29日号の Nature ハイライト 疫学:季節と疾患流行の関係 気候:気候感度を較正する 生理:ユニセックス・フェロモン 進化:哺乳類出現までの長い道のり 物理:キュリウムの磁性を解明する 物理:スピンを可視化する 化学:キラルなネオペンタン 生態:プロテオゲノミクスは情報の鉱脈 目次へ戻る