Nature ハイライト 腫瘍:RANKは転移に重要 2007年4月5日 Nature 446, 7136 マウスの前立腺癌モデルでの実験から、転移発生を促進するシグナル伝達経路が見つかった。この経路は、RANK(receptor activator of nuclear factor κ B)と呼ばれる受容体にリガンドであるタンパク質が結合するところから始まり、IKKα(IκB kinase α)の活性化と核への移行に依存している。活性化されたIKKαは、核内へ移行するとmapsin遺伝子の転写を抑制するが、この遺伝子の産物は前立腺癌や乳癌で癌細胞の移動や浸潤を阻害する因子であることがよく知られている。したがってRANKは、前立腺癌あるいは乳癌細胞などでの転移の一般的な促進因子である可能性がでてきた。 2007年4月5日号の Nature ハイライト 宇宙:銀河系の中心を探る 医学:免疫を飼いならす 神経:光で神経回路を操作 宇宙:ダストは踊る、火星の上で 物理:アト秒のトンネリングをリアルタイムで見る 地球:十分に発達している地球磁場 古生物学:微化石の矛盾する説明 発生:脊椎動物の起源 腫瘍:RANKは転移に重要 目次へ戻る