Nature ハイライト 神経:光で神経回路を操作 2007年4月5日 Nature 446, 7136 巧妙な神経工学技術によって、生きた脳の回路の画像化や制御が可能になりつつある。今回報告されたこの分野の最新の進歩により、微生物の光駆動性塩素イオンポンプをマウスの海馬ニューロンに導入し、ミリ秒の時間スケールで神経活動を抑制できるようになった。この方法は、藻類の光活性化型チャネルを用いてニューロンを興奮させる既存の方法と補完的な関係にある。そして、この2種類のチャネルは異なる波長の光に応答するので、同じ回路の神経活動を双方向にすばやく制御することができる。また、無傷の動物にも適用でき、これらのチャネルを組み込んだトランスジェニック線虫の運動は光に影響を受ける。このシステムは、遺伝子操作により特定種類のニューロンに選択的に導入できるので、神経疾患の光学的治療への道を開く可能性もある。 2007年4月5日号の Nature ハイライト 宇宙:銀河系の中心を探る 医学:免疫を飼いならす 神経:光で神経回路を操作 宇宙:ダストは踊る、火星の上で 物理:アト秒のトンネリングをリアルタイムで見る 地球:十分に発達している地球磁場 古生物学:微化石の矛盾する説明 発生:脊椎動物の起源 腫瘍:RANKは転移に重要 目次へ戻る