Nature ハイライト 宇宙:ダストは踊る、火星の上で 2007年4月5日 Nature 446, 7136 火星表面のアルベド(光の反射率)のパターンは、入射光と反射光の比の局所的な変動に起因するもので、常に変化している。今回、火星の全球循環モデルを使った研究により、これらの変動が実際に気候変動に影響を及ぼしていることがはっきりした。過去30年にわたって、火星表面の広い帯状の地域でダストが吹き払われて消失し、そこが暗く見えるようになっている。気候モデリングによれば、これらの変化は、気温の上昇や風応力の増加、「ダストデビル」(塵旋風)の発生を助長し、ダストの浸食とアルベドとの間に正のフィードバックループが生じる原因となったようだ。こうした条件は、観測されている極冠の浸食と一致し、さらには大規模な砂塵嵐の発生にも影響を及ぼしている可能性がある。 2007年4月5日号の Nature ハイライト 宇宙:銀河系の中心を探る 医学:免疫を飼いならす 神経:光で神経回路を操作 宇宙:ダストは踊る、火星の上で 物理:アト秒のトンネリングをリアルタイムで見る 地球:十分に発達している地球磁場 古生物学:微化石の矛盾する説明 発生:脊椎動物の起源 腫瘍:RANKは転移に重要 目次へ戻る