Nature ハイライト 物理:アト秒のトンネリングをリアルタイムで見る 2007年4月5日 Nature 446, 7136 強い光を照射された原子は、1個またはそれ以上の電子を放出してイオン化する。このタイプのイオン化は、強い光の場中の電子のトンネリングによって生じる。トンネリングは、電子を原子核に束縛しているポテンシャル障壁を「突き抜ける」ことができるほど高いエネルギーを電子が得たときに起こる。この過程が今回、数百アト秒(1アト秒は10-18秒)の時間スケールで、リアルタイムで観測された。まず、ネオンとキセノンの標的原子を超高速遠紫外光パルスによってイオン化し、さらに、今回の目的に合わせて調整した近赤外光パルスを使って、その挙動が観測されたのである。この「アト秒トンネリング」分光という技術を使えば、原子や分子の内部にある電子の動態を制御することができると考えられる。 2007年4月5日号の Nature ハイライト 宇宙:銀河系の中心を探る 医学:免疫を飼いならす 神経:光で神経回路を操作 宇宙:ダストは踊る、火星の上で 物理:アト秒のトンネリングをリアルタイムで見る 地球:十分に発達している地球磁場 古生物学:微化石の矛盾する説明 発生:脊椎動物の起源 腫瘍:RANKは転移に重要 目次へ戻る