Nature ハイライト
Cover Story:オポッサム・ゲノムの解読:有袋類のゲノム塩基配列からわかる哺乳類の進化
Nature 447, 7141
ハイイロジネズミオポッサム(Monodelphis domestica)ゲノムの塩基配列解読と解析が行われ、有袋類の遺伝的組成が初めて明らかになった。進化的に保存されている領域を有袋類と有胎盤哺乳類とで比較した結果、タンパク質をコードする遺伝子の進化における本質的な革新は比較的まれだが、その一方で、保存されている非コード領域の起源は、有胎盤哺乳類系統の進化で急速に出現したことが示唆される。最初に塩基配列解読を行う有袋類のゲノムとしてこの種のオポッサムが選ばれた理由の1つは、これが実験動物として長らく使われてきたためである。免疫系の遺伝学や神経生物学、腫瘍形成、および発生生物学にかかわる遺伝子座は特に関心がもたれそうだ[Article p.167, Editorial p.115, www.nature.com/podcast]。表紙写真は、Larry Wadsworth(テキサスA&M大学メディアリソース)による。
2007年5月10日号の Nature ハイライト
遺伝:「おっとり型」と「せかせか型」が共存共栄する仕組み
宇宙:さらにホットになるホットジュピター
技術:エラーも拡大
神経:脳萎縮マウスでの記憶回復
物理:リチウムでもみられた普通の超伝導
海洋:大海をかき混ぜる
進化:性差も生物多様性にかかわっている
視覚:表面の質感のとらえ方