Nature ハイライト 進化:性差も生物多様性にかかわっている 2007年5月10日 Nature 447, 7141 生物学の重要な課題の1つが、生物多様性のパターンを説明することである。形態の性差は広くみられるが、種多様性の研究において性的二形を促進する要因が検討されることはめったにない。同様に、群集レベルの多様性を決定する生態的・進化的要因が、雌雄間の差の程度を説明するために引き合いに出されることもまれである。アノールトカゲ属のトカゲは、キューバ、イスパニオラ、ジャマイカ、プエルトリコの各島にコロニーがあり、適応放散の典型的事例とされている。今回、このトカゲについての研究で、性差が適応放散における形態的多様化に大きく寄与していることが示された。この知見から、性的二形と適応放散の相互作用の仕組みに関する1つのモデルが考えられる。このモデルは、フロリダにおけるアノールトカゲ類の在来種と移入種の観察により検証できそうだ。 2007年5月10日号の Nature ハイライト 遺伝:「おっとり型」と「せかせか型」が共存共栄する仕組み 宇宙:さらにホットになるホットジュピター 技術:エラーも拡大 神経:脳萎縮マウスでの記憶回復 物理:リチウムでもみられた普通の超伝導 海洋:大海をかき混ぜる 進化:性差も生物多様性にかかわっている 視覚:表面の質感のとらえ方 目次へ戻る