Nature ハイライト 視覚:表面の質感のとらえ方 2007年5月10日 Nature 447, 7141 我々は、ある物体が金属でできているか石膏でできているか、あるいは木地の表面が仕上げ前か磨いた後かを、表面の明暗や光沢の有無から簡単に見分けられる。だが、これは「ニワトリが先か卵が先か」的な問題を含んでいる。つまり、三次元表面からの反射の性質を知るには、形と照明についての詳細な情報が必要だが、それを得るには反射の性質を知っていなくてはならない。本吉勇たちはこの問題を解明し、ロボットの視覚システム開発やコンピューターアニメ製作でリアルな映像を作製するのに役立ちそうなヒントを示している。鍵を握るのは、画像の単純な統計量である。我々の光沢の知覚は、画像の輝度値分布が正の方向にどれくらいゆがんでいるかによって決まるらしい。 2007年5月10日号の Nature ハイライト 遺伝:「おっとり型」と「せかせか型」が共存共栄する仕組み 宇宙:さらにホットになるホットジュピター 技術:エラーも拡大 神経:脳萎縮マウスでの記憶回復 物理:リチウムでもみられた普通の超伝導 海洋:大海をかき混ぜる 進化:性差も生物多様性にかかわっている 視覚:表面の質感のとらえ方 目次へ戻る