Nature ハイライト

遺伝:「おっとり型」と「せかせか型」が共存共栄する仕組み

Nature 447, 7141

ショウジョウバエでは、食物が乏しい状況での行動が対照的な「rover」と「sitter」いう一対の表現型がよく知られているが、その背後にあるのはforaging(採餌;for)遺伝子に自然に存在する差異(多型)である。何十年もの研究にもかかわらず、forの対立遺伝子の差異が維持されている理由は説明できなかったし、安定な多型維持というもっと一般的な問題の原因もわかっていない。今回、新たな研究により、共存している異なる型の間の競合的相互作用がその説明となりそうなことが明らかになった。一方の型が多数派になると、もう一方がどっと増え、その逆も同様であるため、「sitter」型(あまり動かずにたくさん食べる不活発なタイプ)の幼虫と「rover」型(よく動き、あまり食べないタイプ)の共存が確保されるのである。

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