Nature ハイライト 地球:地球のコアに取り込まれたケイ素 2007年6月28日 Nature 447, 7148 地球や月の鉄同位体存在比は、火星や小惑星ベスタ、始原隕石に比べるとわずかに「重く」なっているが、この理由はよくわかっていない。考えられる説明の1つは、初期の地球と火星規模の天体が衝突して月を形成した「巨大衝突」の際に、同位体平衡が大規模に起こったというものである。しかし、他の元素の大部分にこうした影響がみられないことを考えると、その可能性は低くなる。今回、隕石と地上の岩石のサンプル44個の分析結果から、地球や月の玄武岩質の石ではケイ素の同位体組成も明らかに重いことが示された。この結果は同位体平衡モデルと一致し、月形成以前にケイ素が既に軽元素として地球のコアに分離していたことを示している。 2007年6月28日号の Nature ハイライト 保健:カリフォルニアでの喫煙 脳:サルも「確率的推論」を行う 医学:パーキンソン病との取り組み 脳:報酬を求める行動 医学:乳癌遺伝子が新たに4つ 宇宙:もっと複雑になった炭素の化学 地球:地球のコアに取り込まれたケイ素 遺伝:癌にかかわるマイクロRNA 目次へ戻る