Nature ハイライト 脳:サルも「確率的推論」を行う 2007年6月28日 Nature 447, 7148 人は、よい結果が得られる見込みを素早く評価して、それに基づき日々たくさんの判断を下している。心理学では、これは「確率的推論」と呼ばれ、大脳基底核中の記憶回路に依存する作業だと考えられている。今回、アカゲザルを用いた実験で、サルも確率的推論を行う能力をもっていることがわかった。先に見せた4つの形の並び順が、その後で見る2つの色のうちのどちらが報酬につながるかの確率を決めるという課題について、2匹のサルを訓練し、2つの色のうち一方を選ばせた。サルは、形のさまざまな組み合わせを見て集めた情報を使って、2色の表示のどちらが報酬につながるかを推論することを学習した。頭頂皮質の活動記録から、この脳領域のニューロンが、こうした決定を下す基盤となる確率量の足し算・引き算に関与していることもわかった。 2007年6月28日号の Nature ハイライト 保健:カリフォルニアでの喫煙 脳:サルも「確率的推論」を行う 医学:パーキンソン病との取り組み 脳:報酬を求める行動 医学:乳癌遺伝子が新たに4つ 宇宙:もっと複雑になった炭素の化学 地球:地球のコアに取り込まれたケイ素 遺伝:癌にかかわるマイクロRNA 目次へ戻る