Nature ハイライト

脳:報酬を求める行動

Nature 447, 7148

ドーパミンニューロンが運動症状に関与していることは、パーキンソン病におけるその役割から明らかである。しかし、ドーパミンを放出するこのニューロンは、身体運動ではなく報酬に関連するシグナルを伝える。この謎に対する1つの解答として、最近の理論では、報酬に関連するドーパミンシグナルは運動行動の学習に使われていると考えられている。だが現在まで、ドーパミンニューロンが報酬関連シグナルを受け取る仕組みはわかっていなかった。今回、松本正幸と彦坂興秀は、アカゲザルに視覚課題をさせて報酬を与える実験を行い、小脳の外側手綱という領域がドーパミンニューロンを制御していて、このニューロンの阻害により、報酬のより少ない眼球運動を抑制していることを明らかにした。この発見は、感情、動機付け、運動行動の関連性に関する新たな研究の可能性を開くものである。

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