Nature ハイライト 宇宙:もっと複雑になった炭素の化学 2007年6月28日 Nature 447, 7148 有機分子は宇宙に広く分布しているが、酸素の存在量は炭素よりずっと大きい。ではなぜ、炭素の大部分が、あっという間に一酸化炭素になってしまわなかったのだろうか。実際にそうはならなかったことを裏付ける複雑な化学過程の一部が、ミリ波天文学で使われている新世代受信機により、少しずつ明らかになりつつある。赤色超巨星であるおおいぬ座VY星の観測から、酸素を多く含む星から噴き出すアウトフローという制限された環境では、炭素の半分だけが一酸化炭素に封じ込められることがわかった。そして、残りの半分は、生合成に重要な分子であるHCNや、他の炭素含有分子種となり、炭素のかかわる活発な化学過程が起きていることが示された。 2007年6月28日号の Nature ハイライト 保健:カリフォルニアでの喫煙 脳:サルも「確率的推論」を行う 医学:パーキンソン病との取り組み 脳:報酬を求める行動 医学:乳癌遺伝子が新たに4つ 宇宙:もっと複雑になった炭素の化学 地球:地球のコアに取り込まれたケイ素 遺伝:癌にかかわるマイクロRNA 目次へ戻る