Nature ハイライト 生態:群れの効用 2007年10月25日 Nature 449, 7165 捕食者と被食者の個体群は、一般的に起こりそうな各種の生態学的相互作用から考えると、不安定になると予測されるにもかかわらず、大部分とまではいかなくてもその多くが不思議と安定している。Fryxellたちは、安定性に寄与する1つの要因が、捕食者と被食者双方が群れを形成することによって捕食者の探索効率が低下することにあるという仮説を立てた。セレンゲティ国立公園で収集された、ライオンとその餌となる大型草食動物に関する野外データから、この両者の群れ形成が個体群動態に大きな影響をもっており、群れ形成がなければ極めて不安定になるはずの個体群に安定性をもたらしていることが示唆された。 2007年10月25日号の Nature ハイライト 植物:PLETHORAの勾配 細胞:幹細胞の目印 宇宙:土星の環の中に見つかったプロペラ 物理:安定性の極限 物理:超固体のしるし 化学:強力な質量分析法 地球:解決したヘリウム濃度パラドックス 生態:群れの効用 発生:動画で見る原腸形成 目次へ戻る