Nature ハイライト 植物:PLETHORAの勾配 2007年10月25日 Nature 449, 7165 植物では、オーキシンの極性輸送がほぼすべての発生過程における要因の1つとなっているが、その作用機構に関してはまだ未解明の点が多い。細胞内では、方向性をもつオーキシン輸送が、PINタンパク質輸送複合体によって制御されている。今回、根系の細胞内および細胞間にみられるオーキシンの拡散、およびPIN促進性の輸送を説明する新たなコンピューターモデルが考案された。このモデルは、植物の発生に関する2つの重要な問題の解決に取り組むもので、第一に、根の成長を導くのはオーキシンの最大濃度と勾配であるというという考えを裏付けている。第二に、単一種の分子が情報の場を作り出す仕組みを説明しており、器官の成長領域にわたって作られる濃度勾配がオーキシン最大濃度と密接に関係していることを示している。やはりオーキシンに関するもう1つの論文では、4種類のPLETHORA遺伝子が根の発生に重要であり、オーキシンの濃度勾配を生み出す因子である可能性が示されている。 2007年10月25日号の Nature ハイライト 植物:PLETHORAの勾配 細胞:幹細胞の目印 宇宙:土星の環の中に見つかったプロペラ 物理:安定性の極限 物理:超固体のしるし 化学:強力な質量分析法 地球:解決したヘリウム濃度パラドックス 生態:群れの効用 発生:動画で見る原腸形成 目次へ戻る