Nature ハイライト 顕微鏡学:高周波走査型トンネル顕微鏡 2007年11月1日 Nature 450, 7166 走査型トンネル顕微鏡(STM)は、ナノサイエンスにおいて最も有用な手段の1つである。しかし、この手法の重大な欠点は、その時間分解能である。時間分解能は、トンネル効果の基礎的な物理的特性で決まるのではなく、従来のトンネル電流読み出し回路の高周波応答特性によって制限されている。高周波走査型トンネル顕微鏡(RF-STM)は、こうした測定バンド幅の限界を回避するために特別に設計された高周波測定回路を使っており、RF-STMでは時間分解能を最先端のSTMに比べて100倍改善できることが示されている。この新しい高速イメージング装置を使って実験が行われ、可能と考えられていた3つの用途、すなわち高速表面トポグラフィー、ナノメートルスケールでの温度測定、ナノメカニカル変位検知に適していることが実証された。 2007年11月1日号の Nature ハイライト 神経:楽観主義を科学する 顕微鏡学:高周波走査型トンネル顕微鏡 聴覚:聞くための第一歩 神経:回路ミニ版で情報処理を追跡 宇宙:吹き出す風で回転にブレーキ 数理物理学:平均初到達時間 環境:山火事が炭素収支を決定する 微生物:共通の入り口 目次へ戻る