Nature ハイライト 神経:楽観主義を科学する 2007年11月1日 Nature 450, 7166 鬱は多くの場合、悲観的な心理傾向を特徴としており、その神経基盤についてはさまざまな研究が行われている。しかし、楽観主義の神経科学はまだほとんど手つかずのままだった。ヒトはとんでもなく楽観的な生き物で、何の根拠もないときでも好ましい結果を期待する。例えば、自分は平均よりも健康で長生きすると思っているし、自分が交通事故に遭う確率や離婚する確率は過小評価する。このような楽観主義の基盤となる神経機構の証拠が、健康なボランティア被験者で脳の画像化法と行動研究を組み合わせて行うことにより得られた。興味深いことに、鬱病の際に機能異常が起こることが知られている脳領域の活動から、楽観的な心理傾向の程度も推測されるのである。 2007年11月1日号の Nature ハイライト 神経:楽観主義を科学する 顕微鏡学:高周波走査型トンネル顕微鏡 聴覚:聞くための第一歩 神経:回路ミニ版で情報処理を追跡 宇宙:吹き出す風で回転にブレーキ 数理物理学:平均初到達時間 環境:山火事が炭素収支を決定する 微生物:共通の入り口 目次へ戻る