Nature ハイライト 宇宙:プラズマ圏のコーラスライン 2008年3月6日 Nature 452, 7183 プラズマ圏ヒス(hiss)は、地球を取り巻く高密度プラズマ領域であるプラズマ圏でみられる電磁波の一種だ。このヒスは、ヴァンアレン放射帯の二重帯構造を支配する主要因子であり、プラズマ圏からやってくる高エネルギー電子を取り去るため、宇宙空間での人体や人工衛星に対する放射線障害を減らす中心的役割を果たしている。ヒスの起源を説明するため多くの理論が提案されてきたが、時が経っても生き残っているものは1つもない。Bortnikたちは、CRRES衛星のデータを使って、コーラス(chorus)と呼ばれる別の種類の電磁波からヒスが生じるとする新しいモデルを考案した。コーラスは、これまでヒスとは関係ないと考えられていたが、プラズマ圏の中へ伝播したのちヒスに変化する可能性がある。 2008年3月6日号の Nature ハイライト 環境:フロリダの赤潮 遺伝:周期的に起こるDNAメチル化 構造生物学:RNAの構造を塩基配列から予測する 海洋:酵素の亜鉛をカドミウムで代用 宇宙:プラズマ圏のコーラスライン 物理:クールな低温量子科学 材料:ヒドロゲルで作る人工組織 遺伝:共生菌のゲノム 神経:精神障害に関係する複合体 目次へ戻る