Nature ハイライト

物理:クールな低温量子科学

Nature 452, 7183

近年、光共振器内部に集積させることによって光と強く結合するマイクロメカニカルデバイスが開発されている。主な目標は、このデバイスをオプトメカニカルに冷却してすべての熱振動を凍結させ、その物体の運動が最終的には量子力学ゆらぎで制限されるようにすることである。これによって、機械的な物体の量子挙動の新しい領域の研究が可能になる。Thompsonたちは、このような系を2枚の剛性で高品質な鏡の間に挟んだ可動膜からなる構造に改良した結果を報告している。これまでの構造では、鏡の一方が微小共振器としての役目も演じる必要があった。今回の新しいデバイスでは、室温から6.8 mKまでという大幅な冷却が可能になる。この系ならば、最終的には量子限界基底状態に達することが可能かもしれない。

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