Nature ハイライト 材料:ヒドロゲルで作る人工組織 2008年3月6日 Nature 452, 7183 多糖類を使ったヒドロゲルは、薬物送達や組織工学に使用できる可能性があり、例としては組織の自然再生を促進する基質などが挙げられる。Ladetたちは、多段階断続ゲル化処理によって、「タマネギ状」やチューブ状の多層膜構造をもつ、複雑なヒドロゲルを作り出した。新構造体は生体適合性天然高分子であるキトサンやアルギン酸塩でできていて、この新しい層状構造の膜と膜との間に、細胞や薬物の導入に適した隙間を作ることができる。出発ヒドロゲルはどのような形状にすることもでき、原理的には形成可能な層の数に制限はない。手始めにキトサンヒドロゲル内で軟骨細胞を培養した実験では、この材料が人工組織の基材となる可能性が示唆されている。 2008年3月6日号の Nature ハイライト 環境:フロリダの赤潮 遺伝:周期的に起こるDNAメチル化 構造生物学:RNAの構造を塩基配列から予測する 海洋:酵素の亜鉛をカドミウムで代用 宇宙:プラズマ圏のコーラスライン 物理:クールな低温量子科学 材料:ヒドロゲルで作る人工組織 遺伝:共生菌のゲノム 神経:精神障害に関係する複合体 目次へ戻る