Nature ハイライト 進化:原始の被子植物の残存種 2008年5月1日 Nature 453, 7191 地味な水生植物であるヒダテラ科は、中生代に初めて出現した被子植物の仲間であり、極めて原始的なものであることが最近わかった。このほどW Friedmanは、ヒダテラ(Hydatella)には珍しい複数の発生学的特徴がみられるが、ヒダテラ以外でそれらがまとまってみられるのは、やはり原始的な植物であるスイレン目のみであることを明らかにした。ただし、ヒダテラには、これ以外にもう1つ特徴がある。それは、胚性組織からではなく、母性組織から種子に栄養が供給されることである。この特徴は他の被子植物にはみられないが、裸子植物(針葉樹類)には一般的なものであり、被子植物の初期の進化史の名残であると考えられる。 2008年5月1日号の Nature ハイライト 工学:メムリスタンスの登場 進化:原始の被子植物の残存種 細胞:三次元空間内での白血球の移動 遺伝:8人のゲノム 免疫:毒素と自己免疫 宇宙:木星の影の下で 気候:10年スケールの気候予測 複雑系:ネットワークの不足部分を推測する 視覚:時計を気にする網膜細胞 量子宇宙論:リアリティ・チェック 目次へ戻る