Nature ハイライト 遺伝:8人のゲノム 2008年5月1日 Nature 453, 7191 血縁関係のない8人(アフリカ人4名、非アフリカ人4名)のゲノムのクローニングによる塩基配列解読結果を使って、ヒトでの遺伝的変異の新たな側面が明らかにされた。今回の研究は、数千から数百万塩基対という長さの中規模の遺伝的変動に注目したものだ。その結果、アフリカ人のゲノムは他の人種のものより多様性が高いという知見が裏付けられ、「コピー数多型(CNV)」塩基対の発生率に対するこれまでの推測値が高すぎることが示唆された。最近になって逆の証拠が得られているにもかかわらず、今回のデータは、非対立相同組換えがゲノムでの構造的変異を促進する最も有力な過程であることを示唆している。この種の研究は、次世代技術によって解読されるだろう多くのゲノム塩基配列のための基準となるものだ。 2008年5月1日号の Nature ハイライト 工学:メムリスタンスの登場 進化:原始の被子植物の残存種 細胞:三次元空間内での白血球の移動 遺伝:8人のゲノム 免疫:毒素と自己免疫 宇宙:木星の影の下で 気候:10年スケールの気候予測 複雑系:ネットワークの不足部分を推測する 視覚:時計を気にする網膜細胞 量子宇宙論:リアリティ・チェック 目次へ戻る