Nature ハイライト

Cover Story:局在化RNA:RNA局在化へのAPC腫瘍抑制因子のかかわり

Nature 453, 7191

RNA局在化は、極性の確立や維持にかかわる多くの生物学的過程で重要である。これまで、哺乳類細胞に極性が生じる際に局在化するRNAの包括的な同定は行われていなかったが、今回、遊走刺激に応答する繊維芽細胞を用いて研究がなされた。全ゲノムスクリーニングにより、マウス繊維芽細胞の細胞突起に局在するRNAが50以上同定された。RNAは微小管の「プラス」端に集中する顆粒に係留される。これはRNAの新たなRNA係留機構であり、また微小管プラス端の予想外の機能でもある。これらの顆粒内のRNAは腫瘍抑制因子であるAPC(adenomatous polyposis coli)と関連している。APCは、Wntシグナル伝達経路の因子として詳細な検討がなされている多機能性タンパク質で、細胞遊走、細胞接着および細胞分裂にも関連すると考えられている。表紙は細胞突起の先端のRNA顆粒(青色)で、アクチンフィラメントも染色されている(Letter p. 115)。

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