Nature ハイライト 細胞:幹細胞の自己複製 2008年5月8日 Nature 453, 7192 幹細胞は、自己複製能をもつために、生物の一生にわたって維持される。多能性前駆細胞は、何種類もの分化した細胞を作り出せる点で幹細胞に似ているが、自己複製はできず、寿命も限られている。マウスでの遺伝子ノックアウト実験により、わずか3個の遺伝子を欠失させるだけで、多能性前駆細胞を長期にわたって自己複製する細胞に変換させられることが明らかになった。この3個の遺伝子p16Ink4a、p19Arf、Trp53の本来の役割は、前駆細胞の自己複製を防ぐことである。これらの遺伝子がかかわる経路は通常、がんでは抑制されていることから、これは前駆細胞での腫瘍化性変異の機構と考えられるものを示唆している。 2008年5月8日号の Nature ハイライト 化学:二酸化炭素をケージに閉じ込める 生物物理:HIVのひっくり返る酵素 構造生物学:「非生物」酵素をつくる 宇宙:土星にもあった四季 物理:長持ちする分子磁石 気候:アマゾンの乾燥化の見通し 生態:中立説を考察する 細胞:RESTは幹細胞を維持する 細胞:幹細胞の自己複製 脳:作業記憶の仕事ぶり 目次へ戻る