Nature ハイライト 脳:作業記憶の仕事ぶり 2008年5月8日 Nature 453, 7192 ヒトの脳は、膨大な貯蔵量の長期記憶を保持するだけでなく、ほんの数秒しか保持されない短期記憶も形成している。これは、2つの数字を足したり、2つの顔のどちらが魅力的かを比較したりするような作業を行うのに不可欠である。短期記憶が限られた量の情報しか保持できないことはわかっているが、少数の事物について高品質の表現を保持するのか、それとも、ほぼ無数の事物について低品質の表現を保持するのかについての議論は決着していなかった。視覚の作業記憶に関する新しい研究の結果、「高品質」説に有利な形で決着がついた。短期の情報貯蔵では、量を優先して質を捨てることはなく、比較的少数の対象がそれぞれ一定の品質での表現として保持されていた。 2008年5月8日号の Nature ハイライト 化学:二酸化炭素をケージに閉じ込める 生物物理:HIVのひっくり返る酵素 構造生物学:「非生物」酵素をつくる 宇宙:土星にもあった四季 物理:長持ちする分子磁石 気候:アマゾンの乾燥化の見通し 生態:中立説を考察する 細胞:RESTは幹細胞を維持する 細胞:幹細胞の自己複製 脳:作業記憶の仕事ぶり 目次へ戻る