Nature ハイライト

医学:白血病幹細胞

Nature 453, 7198

白血病を発症・進行させるのは、白血病細胞の集団の中でも白血病幹細胞(LIC)と呼ばれる少数の細胞であることを示唆する証拠が次々と報告されている。LICは化学療法に抵抗性を示し、患者で再発の原因となることがある。これらの細胞の根絶を非常に難しくしている要因に関して、1つの手がかりが意外な発見から得られた。PML(promyelocytic leukaemia protein)という腫瘍抑制因子が、造血幹細胞やLICを休止期(細胞が抗がん治療から守られる不活性な状態)に維持する働きをしていることがわかったのである。慢性骨髄性白血病のマウスモデルや、患者由来の細胞での実験から、亜ヒ酸(As2O3)のような、PMLを標的として分解する薬剤は、LICをうまく破壊して抗がん治療の効果を高めることが示唆されている。

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