Nature ハイライト

宇宙:生まれは同じでも育ちは違う双子星

Nature 453, 7198

同じ質量、同じ組成をもって同時に生まれた星は、「一卵性双生児」の星として知られていて、物理的性質も同じだと予想される。しかし、オリオン星雲にある年齢100万年という若い連星系Par 1802では、系を構成する2つの星は、質量は同じだが、温度、光度、半径が異なっている。こうした予想外の相違から、双子星の一方の進化が数十万年程度遅れたと考えられる。連星系の各星について理論的に導出された年齢が一致するかどうかは、星の進化モデルの首尾一貫性についての検証に使われる。つまり、Par 1802で年齢が一致しなかったことは、このような検証には数十万年程度の精度限界があることを示唆している。

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