Nature ハイライト 宇宙:石ころから生まれた衛星 2008年7月10日 Nature 454, 7201 多くの小惑星や海王星以遠天体には衛星があり、http://tinyurl.com/dweqfに公表されているものは、150例以上に達する。こうした連星系のうち最も小さいものは、主小惑星帯の小惑星と地球近傍小惑星だが、これら2種類の小惑星を取り巻く環境は大きく異なっていて、連星系の形成を説明できる共通の機構を見いだすのは難しい。Walshたちは今回、この条件を満たすモデルを示した。主小惑星帯や地球近傍小惑星で衛星を伴うものについて観測された性質は、熱的なYORP効果を介して「瓦礫の集まり」である小惑星の自転速度がゆっくり増加するという過程を取り入れたシミュレーション結果と一致した。YORP効果は、不規則な形の小惑星からの輻射が、この小惑星に正味の力を及ぼすというものだ。小惑星の物質粒子が、エネルギーを散逸させる衝突過程を経る場合には、自転している小惑星の赤道から失われる質量は、衛星に降着する。 2008年7月10日号の Nature ハイライト 生理:明らかになったオプシンの構造 宇宙:石ころから生まれた衛星 宇宙:月に残る水の痕跡 物理:ボルマン分光法 地球:断層帯の応力 進化:カレイの両眼が片側に寄るまで 医学:IRF4に依存する骨髄腫 心理:多様性が生む協力行動 目次へ戻る