Nature ハイライト 進化:カレイの両眼が片側に寄るまで 2008年7月10日 Nature 454, 7201 カレイ目魚類の左右非対称性は、発生中に生じる形態の特殊化の特別な例である。仔魚の段階では左右対称であるが、頭骨の変形によって一方の眼が頭頂を越えて移動し、反対側にあるもう一方の眼の隣まで来る。この配置の進化的起源はわかっていなかった。M Friedmanは今回、始新世(4,700万年前)の魚類であるAmphistiumの化石を再検討し、また、知られているかぎりでは、最も原始的なカレイ目魚類となる新属を報告している。これらの魚類では、成魚であっても移動する方の眼が背側正中線を越えることはない。これは、化石記録に残る移行型を明確に示す例であり、カレイ目魚類の特殊化したボディープランの進化が漸進的な過程であったことを裏付けている。 2008年7月10日号の Nature ハイライト 生理:明らかになったオプシンの構造 宇宙:石ころから生まれた衛星 宇宙:月に残る水の痕跡 物理:ボルマン分光法 地球:断層帯の応力 進化:カレイの両眼が片側に寄るまで 医学:IRF4に依存する骨髄腫 心理:多様性が生む協力行動 目次へ戻る