Nature ハイライト

医学:IRF4に依存する骨髄腫

Nature 454, 7201

骨髄腫細胞株の増殖関連遺伝子は薬の標的となると考えられる。そうした遺伝子がRNA干渉によって探索された結果、正常細胞ではリンパ球活性化と形質細胞の分化に必要とされる転写因子IRF4が、多発性骨髄腫のマスター調節因子であることがわかった。意外にも、骨髄腫細胞は、ほとんどでIRF4遺伝子座の変異、転座、もしくは増幅が起こっていないのにもかかわらず、完全にIRF4に依存している。IRF4は、正常形質細胞もしくは活性化B細胞とは異なり、がん細胞ではMYCがん遺伝子を含む遺伝子ネットワークを制御している。骨髄腫のIRF4依存性は、正常細胞では増殖や生存に使われる細胞タンパク質にがん細胞が依存するという、「非がん遺伝子依存」の例である。

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