Nature ハイライト 地球:断層帯の応力 2008年7月10日 Nature 454, 7201 地震発生深度において時間変動する応力場は、地震発生の引き金を理解する上で重要なパラメーターである。そのため、地震活動が活発な断層帯内部の応力変化測定は、長らく地震学の到達目標となっていた。パークフィールドでのSAFOD(サンアンドレアス断層深部掘削研究計画)の試験掘削孔と主掘削孔の間の基線に沿って、深さ1 kmのところで地震波速度変化のin situ観測を2カ月間にわたって連続して行うことにより、Niuたちは、大気圧の変動により引き起こされる応力変化を実際に検出できることを見いだした。また、地震時に大きな応力変化を起こすと予測されていた2回の地震と同時に、地震波速度が変化したこともわかった。この2回の変動は、それぞれ地震の約10時間前と約2時間前に始まり、初期の室内実験による研究で観察された破破壊前の膨張に関係している可能性が示唆される。 2008年7月10日号の Nature ハイライト 生理:明らかになったオプシンの構造 宇宙:石ころから生まれた衛星 宇宙:月に残る水の痕跡 物理:ボルマン分光法 地球:断層帯の応力 進化:カレイの両眼が片側に寄るまで 医学:IRF4に依存する骨髄腫 心理:多様性が生む協力行動 目次へ戻る