Nature ハイライト 宇宙:暗黒物質を探すべき場所 2008年11月6日 Nature 456, 7218 宇宙の大部分を形成していると考えられている「暗黒物質」の性質は、いまだによくわかっていない。1つの説で提案されているのは素粒子で、既知の素粒子の最も軽い超対称パートナーとなるものである。これが正しければ、天の川銀河のハローで暗黒物質が消滅すれば、すぐに観測可能なレベルのγ線が発生するはずだ。このようなγ線は、どこを探せばよいのだろうか。Springelたちは、大部分を占め最も見つけやすいシグナルは、天の川銀河のメインハローにある希薄な暗黒物質によって生み出されていることを示唆する数値シミュレーションの結果を報告している。これまでは、天の川銀河で我々の領域に近いところにある暗黒物質の小さな塊から放射されるものが、消滅シグナルのほとんどを占めているのではないかと考えられてきたが、今回の研究成果では、こうしたものからの寄与は小さい可能性が示唆されている。 2008年11月6日号の Nature ハイライト 遺伝:民族による遺伝子変異 医学:がんゲノム 宇宙:暗黒物質を探すべき場所 工学:オシロスコープを改良 地球:行方不明の鉛に新しい手がかり 生態:減少するレミングの個体数 細胞:ノックアウトでクラミジアの病原性因子を同定 神経:自然のリズム 目次へ戻る