Nature ハイライト 細胞:ノックアウトでクラミジアの病原性因子を同定 2008年11月6日 Nature 456, 7218 肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)は肺感染症の主な原因の1つであり、動脈硬化、心臓病や脳卒中に関連している。この病原菌の研究は遺伝学的な手段がないため進んでおらず、とりわけ病原性因子の同定が困難だった。Huangたちは、酵母細胞に肺炎クラミジアの病原性因子と考えられる5つのタンパク質を発現させることで、この問題を回避した。これらのうちの1つCopNは、酵母と哺乳類の細胞で発現させると細胞分裂を阻害した。次いで、この細胞分裂への影響を回復する化合物が2つ見つけ出され、これらは肺炎クラミジアの感染から哺乳類細胞を防御した。この「機能ノックアウト」戦略は、直接的な遺伝学的アプローチに代わるもので、他のクラミジアタンパク質が病気でどのような働きをしているかを解明するのに使えそうだ。 2008年11月6日号の Nature ハイライト 遺伝:民族による遺伝子変異 医学:がんゲノム 宇宙:暗黒物質を探すべき場所 工学:オシロスコープを改良 地球:行方不明の鉛に新しい手がかり 生態:減少するレミングの個体数 細胞:ノックアウトでクラミジアの病原性因子を同定 神経:自然のリズム 目次へ戻る