Nature ハイライト 地球:行方不明の鉛に新しい手がかり 2008年11月6日 Nature 456, 7218 地球マントルの独特な鉛同位対比は、地球型惑星の基本要素と考えられているCIコンドライト隕石と異なっており、太陽系形成後5,000万年から1億3,000万年後に鉛の一部が失われた可能性を示唆している。一般に、この「行方不明の鉛」は、硫化物のメルトと共に地球の核に移動したと考えられている。このシナリオでは、鉛は硫化物と親和性があると仮定している。しかし、Lagosたちは今回、金属-硫化物-ケイ酸塩系の分配実験から、地球マントルの高いU/Pb比を鉛が核に送り込まれたとして説明するには、鉄と硫黄の両方に対する鉛の親和性は低すぎると報告している。その代わりとしてLagosたちは、太陽系形成から5,000万年後に、月形成につながった巨大隕石の衝突がおそらく引き起こした初期の脱ガスによって鉛が失われたのだろうと提案している。 2008年11月6日号の Nature ハイライト 遺伝:民族による遺伝子変異 医学:がんゲノム 宇宙:暗黒物質を探すべき場所 工学:オシロスコープを改良 地球:行方不明の鉛に新しい手がかり 生態:減少するレミングの個体数 細胞:ノックアウトでクラミジアの病原性因子を同定 神経:自然のリズム 目次へ戻る