Nature ハイライト

生態:減少するレミングの個体数

Nature 456, 7218

ノルウェーレミング(Lemmus lemmus)は個体数の周期的変動でよく知られており、個体数がピークになると生態系を構成する他の生物に影響を及ぼすと考えられている。しかし現実には、気候を含む物理的環境がげっ歯類の周期的動態の決定に果たす役割は、まだほとんど推測の域を出ていない。今回、げっ歯類密度、鳥類密度、および圧雪条件の野外推定値に関する長期的(1970〜2007年)データを気象データと組み合わせることにより、レミングの周期に関して今までよりもはっきりした全体像が得られた。浮かび上がってきたのは、よく知られた3〜5年の周期から、周期性が弱く大部分が振幅の小さな状態への移行で、これは冬の気候の年次変化によって説明が可能である。これは、げっ歯類の動態に対する気候の影響が生態系の他の生物にも波及するという仮説の強力な証拠となる。

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