Nature ハイライト

Cover Story:手に入れられる自分の「生命の書」:個人ゲノム時代のユーザーズ・ガイド

Nature 456, 7218

自分のゲノムを完全解読させた個人の数が増え、遺伝子プロファイリングを一般消費者に直接提供する会社が遺伝医学のプロとアマの境界線をずらし始めたのにつれて、一時は夢物語だった、医学的治療などを個人のゲノムに合わせて行えるようになるという考えが、徐々に現実味を帯びるようになってきた。こうした状況下で生じるのは、豊富な情報をどう使ったらいいかという問題である。今週号では、個人ゲノムとそれがもたらす結果についての特集を掲載している。News Featureでは、疾患関連遺伝子の発見を阻む原因と思われる「失われた遺伝性(missing heritability)」を探索し(p.18)、次世代DNA塩基配列決定装置の核心となる技術に注目し(p.23)、ゲノミクス研究の最前線にあった研究室の閉鎖という意外な出来事を考察する(p.26)。Commentaryでは、プライバシーに関する個人の権利と社会的利益の拡大の間のバランスの問題(p.32)や、個人ゲノム検査の倫理的問題(p.34)について論じている。これらについては、Editorial(p.1)でも考察されている。こうした問題についてNature Forumに自分の考えを発表したい際は、http://tinyurl.com/6clk2xへ。また、関連News p.11とp.12、www.nature.com/podcastも参照されたい。

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