Nature ハイライト 神経:頭に血がのぼる 2008年12月11日 Nature 456, 7223 脳血流はニューロン活動と密接に連動しており、この関連はMRIなどの機能画像化技術の基盤となっている。グリア細胞、特にアストロサイトでのカルシウムシグナル伝達は、ニューロン活動と脳血流の局所的な変化を連動させることが知られているが、細動脈に対する作用の方向性、すなわち血管収縮と血管拡張のどちらをとるかを決める仕組みはよくわかっていない。新たな研究により、これらの2つの作用のバランスは脳の代謝に依存することが明らかになった。脳の組織の酸素化が低下して解糖が盛んになると、アストロサイトが引き起こす血管収縮は血管拡張へと切り替わる。この恒常的なバランスを操作することは、ある種の認知症や脳卒中後に起こる脳への血液供給減少を治療するのに使えるかもしれない。 2008年12月11日号の Nature ハイライト 細胞:1個の細胞から前立腺を形成 宇宙:水蒸気のあるホットジュピター 神経:頭に血がのぼる 遺伝:複製の再開 化学:3級アルコールを簡単に合成 地球:大陸の分裂 生態:不確実な回廊 免疫:RNAiで宿主をかわす 神経:脳を配線する 目次へ戻る