Nature ハイライト 生態:不確実な回廊 2008年12月11日 Nature 456, 7223 捕食者と被食者の間の相互作用が生態系全体にどう影響を及ぼしているかは、生態学の中心的問題の1つである。例えば、レミングとその捕食者の周期的動態は、捕食者が他の獲物に比べてレミングを好むことによって、どのような影響を受けているのだろうか。M HollandとA Hastingsは数値モデルを用い、生態学に関係のある相互作用、つまり、より小規模な系内の強い相互作用に焦点を絞ることで、生態学者が自然界で観察しているような、捕食者と被食者の非同期性となりやすい動態周期や長期化した過渡的動態を示す生態系をシミュレートできることを示した。ここから推測すると、分断された生息域断片をつなぐコリドー(回廊)は、自然環境に倣ってある程度の非対称性をもたせるべきだと考えられる。 2008年12月11日号の Nature ハイライト 細胞:1個の細胞から前立腺を形成 宇宙:水蒸気のあるホットジュピター 神経:頭に血がのぼる 遺伝:複製の再開 化学:3級アルコールを簡単に合成 地球:大陸の分裂 生態:不確実な回廊 免疫:RNAiで宿主をかわす 神経:脳を配線する 目次へ戻る